<報告>8月7日、第11回期日が開かれました

仙台七夕の中日8月7日(水)14時から第11回目の法廷が開かれました。猛暑にもかかわらず、約15名の原告が傍聴にかけつけてくださいました。今回も大阪地裁にいる内山巌雄専門委員が、テレビ会議方式で参加する形で行われました。前回同様、405号法廷で、一般の方の傍聴も可能な形で開催されました。約40分程度の短い法廷でした。閉廷後弁護士会館301号室に移動し、この日の主な論点などをめぐって、主に高橋弁護団長・畠山弁護士などが解説しました。

1.当日の主な論点

当日の主な論点を紹介いたします。

1前回5月22日の法廷で、原告側は、7月24日までに、

①これまでの内山専門委員とのやり取りをふまえた甲A11号証の改訂版とNO2の閾値を考慮した再計算結果を含む別紙形式での補充内容を提出する(甲A30号証および附属文書として今回提出)。

甲A11号証の早期死亡の推算結果が、原告の権利侵害とどのようにかかわるのかについて、法律論の観点から説明する(第10準備書面として今回提出)。

③平穏生活権の侵害に関する立証をどのようにするのか、具体的な方針を明らかにすること(立証計画案として今回提出)を約束しましたが、今回いずれも()のように提出しました。

④個々の原告の個別健康被害の立証は行わないこととしました。これらに関して、裁判長との間で、確認的なやり取りがありました。

2原告側は、内山専門委員からこれまでに指摘・要請のあった、脳卒中と虚血性心疾患の数値などの記載ミスを正し、NO2の閾値を考慮した再計算結果を、甲A30号証甲A11号証(ラウリ氏らによる仙台PSの稼働による早期死亡者数の推算結果)の改訂版にあたります)として提出しました。宮城県内はNO2の値の低い地域が多いことなどから、早期死亡者数は19.2人から9.7人前後に減ることになりました。ただしこれらは、内山専門委員の指摘を受け入れた大変控えめな値です。早期死亡者数は結果的に半減しましたが、ラウリ氏らによる早期死亡者数の推算方法自体の科学的な妥当性は、基本的に守られたと言えます。もっとも影響の大きい多賀城市の場合、PM2.5の濃度上昇に由来する早期死亡者数に限っても人口10万人あたりに換算すると1.18人となります(2019年5月21日付け追加質問書に対する回答書(正))。

裁判長の要請により内山専門委員から、再計算結果をもとに甲A11号証を改訂した甲A30号証及び付属文書について疫学的知見に基づく意見書が近々提出される予定です。その意見書をめぐって、次回10月30日に原告側とのやりとりが行われることになります。テレビ会議方式での内山委員の参加は、次回が最後となります。原告側が主張してきた疫学的な早期死亡の推定の妥当性という大きな争点は、原告側が用いた大気拡散モデルの妥当性という論点を除いて、ここで基本的に終了の予定です。 

 3原告側では、大気拡散モデルの専門家に依頼し、原告側が用いた大気拡散モデルの妥当性・信頼性に関する報告書を今後提出予定です。

 4原告側は、仙台PSの存在とそのばい煙が個々の原告に具体的に与える物理的・精神的影響について、原告3人程度の協力を得て立証する予定です。詳細は次々回までに明らかにする予定です。

 5原告側は、仙台PSに社会的役割が皆無であること、仙台PS設立前から現在に至るまで、同社が不誠実な対応に終始していること、被告は環境に対する影響を全く配慮せずに仙台PSを稼働させていること、つまり仙台PSの稼働は社会的に許容される受忍限度を超えていることを立証するために、被告企業の代表者の法廷での尋問を求めました。これに対して、被告側代理人は、実質的に回答済みで、情報開示に努めており、その必要性は乏しい、差止め請求との直接的な関連が疑問であるなどとして、この要請を突っぱねました。原告側の求めを認めるかどうか、裁判長の判断が注目されます。

 6昨年10月に実施した第1回目の健康影響調査結果(原告とその家族を対象に、2018年7〜9月と2016年7〜9月の健康状態をたずね、その結果を比較したもの)の概要について、補充的な解説の書面を今回提出しました(第9準備書面甲A272829号証)。

2.今後の進行

次々回の法廷は、中島裁判長と原告・被告側の協議により、11月29日(金)13時半からとなりました。これまでは隔月の法廷でしたが、10月30日、11月29日と連続して開かれます。裁判長は早期結審をめざしていることを示しました。

10月と11月の法廷の傍聴もよろしくお願いいたします。

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